間質,尿細管障害と制御因子
摘要
末期腎不全にいたる種々の基礎腎疾患には,その病態進行を修飾する共通の増悪因子が存在する.糸球体高血庄と蛋白尿は従来より広く受け入れられてきたものであり,食事療法やACE阻害薬/AII受容体拮抗薬の使用,血圧管理の重要性を正当化する根拠となっている.しかしながらこれらは進行性腎疾患のすべてを説明するものではない.以前より腎予後を予測するより正確な指標として,尿細管間質障害の存在が挙げられてきたが,その進展には傍尿細管毛細血管の脱落を伴う当該領域の慢性低酸素状態が重要な役割を果たしていることが明らかになりつつある.細胞外基質の増生,間質の線維化に寄与する各種遺伝子群の解析や,尿細管細胞の増殖,分化,アポトーシスなどを中心とする研究が推進されている.将来的には当該の低酸素尿細管間質領域に対する血管新生,保護療法が検討されうる可能性を秘めており,原因解明および治療の両面から今後の進展が期待される分野である.
引用本文(GB/T 7714)
田中 哲洋, 南学 正臣. 間質,尿細管障害と制御因子[J]. Nihon Naika Gakkai Zasshi, 2003.
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